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【開催報告】まつど子育て市民サポーター養成講座 初回講演会「安心して子育てできる街になるために私たちができること」

【開催報告】まつど子育て市民サポーター養成講座 初回講演会「安心して子育てできる街になるために私たちができること」
開催終了しました

【開催報告】まつど子育て市民サポーター養成講座 初回講演会「安心して子育てできる街になるために私たちができること」

まつど子育て市民サポーター養成講座2023-バナー-1

松戸市における子育てや子どもの孤立を予防するための活動を展開する「まつどでつながるプロジェクト運営協議会」が子ども政策課との協働事業で開講している「まつど子育て市民サポーター養成講座」の講演会が開かれました。

本講演会は、松戸市の協働事業提案制度の採択を受けて、子ども政策課との協働で実施しています。

※連続講座の詳細についてはこちらのページをご覧下さい。https://m-tsunagaru.com/info/17531

講師:奥山千鶴子さん:NPO法人子育てひろば全国連絡協議会 理事長、認定NPO法人びーのびーの 理事長
日時:2023年11月25日(土)10時~12時
会場:市民会館301会議室
参加者:22名

追い詰められ孤立しやすい現代の子育て

20年以上にわたるびーのびーのの活動の中で、子育て当事者のこんな声を聞いてきました。
・追い詰められて自信を失う
・24時間休みなしの育児
・周囲に弱さを見せられない
・子どものトラブル続きに「自分の育て方のせいか」と落ち込む

コロナ禍で、「子育てのために我慢ばかりしていると思う」などの保護者の子育てへの否定的感情も大幅に増加しています。「子育てのしやすさ」の実感について諸外国との比較でも、「日本は子どもを産み育てやすいとは言えない」が6割を占めています。

そう感じる要因として、性別役割分業観が根強いこと、実際に夫と妻の家事関連時間はまだまだ妻に偏っています。それでも、妻の家事時間は減少、夫は増加傾向、育児時間については夫、妻共に増加傾向という流れも見られます。

一方で子どもに関して児童虐待の死亡事例数は近年変わらず50人前後で推移しています。また、0歳児0日の死亡事例が多く、産前産後のサポートが大切です。国は未就園・在宅家庭への支援策を増やそうと動いています。

「こどもまんなか社会」実現に向けて動き出す法律や政策

孤立しやすい現代の子育ての課題を打開し、「こどもまんなか社会」を社会全体で実現するための強いリーダーシップとして、2023年春、こども家庭庁が発足しました。

こども家庭庁の基本姿勢は3つです。
①こどもや子育て中の方々の視点に立った政策立案
②地方自治体との連携強化
③様々な民間団体とのネットワーク強化

また、同時に制定された「こども基本法」では、以下の事柄が謳われています。
・子どもが個人として尊重される
・基本的人権の尊重
・差別的取り扱いを受けない
・年齢発達に応じて意見を表明し、多様な社会活動に参画する機会が確保される
・こどもの最善の利益が優先して考慮されること
・子育ての第一義的責任は保護者にあり、十分な養育環境が確保される
・家庭や子育てに夢を持ち、子育てに喜びを感じられる社会の実現

これらを受けて、現在子ども家庭庁では「こども大綱」が作成中で、年内に閣議決定され、地方公共団体へ降りてくる予定です。来年には、大規模なニーズ調査などが動き出します。

私は、こども家庭庁で「乳幼児期間までのこどもの育ちにかかわる基本ビジョン」という分科会にも所属しています。そこでは、すべてのこどもたちの願いは大きく5つ、「安心したい」「満たされたい」「関わってみたい」「遊びたい」「認められたい」だと推測し、以下の「はじめの100ヶ月」を支える5つのビジョンが策定されています。
①子どもの権利と尊厳を守る
②安心と挑戦の循環を通して子どものwell-beingを高める
③誕生前から切れ目なく育ちを支える
④保護者養育者のwell-beingと成長の支援・応援をする
⑤子どもの育ちを支える環境や社会の広がりを増やしていく

このように、「こどもまんなか社会」の実現へ向けて、さまざまな動きがあります。

「安心して子育てできる街」を作るためにできること

安心して子育てするための安心できる居場所づくりや地域づくりについて考えてみましょう。親の成長は次の4つの関わりから生まれてくるのではないでしょうか。
①気づきを促し、強みを発揮できる場の力
②利用者と支援者の相互作用
③利用者相互の関係性(ピアサポート)
④寄り添い型支援を支える活動(学びの場など地域ネットワーク・共通理解の形成)
4つ目はまさに今この講演会やこの後の連続講座そのものです。

安心できる人と居場所では、子どものwell-beingと親のwell-beingの両方が育まれます。
・親同士の語り合いや親子の交流を通じて自分なりの程よい子育てを確立できる
・こどもにとって、親以外の信頼できる大人との出会いが社会への基本的な信頼を生む
・こども集団の中で自然かつ自発的な遊びや育ち合いが保障されることで主体性が育まれる
・多様性が同質性を緩和し、寛容な雰囲気を生む
・中高生の乳幼児との関わりが、こども理解と子どもをケアできる自己の発見につながる

地域の子育てを支えるために自分は何から始めたらいいのかなと迷うことがあるかと思います。支援にはいろいろな形があって、就学までの家庭と地域とのつながり支援として、
・アウトリーチ型支援
・居場所型支援
・預かり型支援
・相談型支援
などがあります。
就学後の学校・家庭・地域の連携には、
・学校を核とした教育支援(学校支援地域本部、学校運営協議会など)
・放課後を中心とした活動(放課後児童クラブ、放課後涛デイサービスなど)
・福祉との連携による活動(学習支援、ひとり親支援事業、子ども食堂など)
などがあります。

民間のインフォーマルなサポートの力は互いに知り合うこと、つながり合うことから始まります。地域や市民ができることとして、ボランティアなど参加の入り口はたくさんあります。自分に合った方法で、「こどもまんなか社会」の実現に向けて一緒に進んでいきましょう。

【主催】まつどでつながるプロジェクト運営協議会・子ども政策課

<講師プロフィール>
 大学卒業後、会議の企画運営会社に就職。社内育児休業取得第一号となるも、両立がかなわず退職。
 地域の親たちと平成12年4月、商店街空き店舗を活用して子育て家庭の交流の場「おやこの広場びーのびーの」を立ち上げる。平成18年3月、港北区地域子育て支援拠点「どろっぷ」オープン。主に、乳幼児を育てる家庭への支援(交流の場、相談、情報発信など)を実施。
 現在、NPO法人子育てひろば全国協議会理事長、NPO法人びーのびーの理事長、内閣官房こども未来戦略会議構成員、こども家庭庁子ども・子育て支援等分科会委員、にっぽん子育て応援団企画委員。

著書
・「子育て支援NPO親立ちが立ち上げたおやこの広場びーのびーの」(共編著ミネルヴァ書房)
・「地域子育て支援拠点ガイドラインの手引き」(執筆者 中央法規出版)

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